生命保険の契約者変更が税務署に把握されることに!!
- 2015-01-23(18:59) /
- 生命保険
平成27年度税制改正大綱に盛り込まれたもので注目されるのが、
「 支払調書・調書 」 の改正です。
これで、国税庁の8年越しの要望がかなったことになります。
何のことかわからない方がほとんどだと思われますが、
これにより、生命保険の契約者変更が税務署に把握されることになります。
具体例をあげて説明しましょう。
(生命保険の契約者と被保険者が異なるケース)
例えば、契約者:被相続人(父) 被保険者:相続人(息子)
保険金受取人:被相続人(父)として、契約者である父が死亡したとします。
すると、この保険契約は通常、相続人である息子に引き継がれて(契約者変更して)
継続することになるでしょう。
その後、保険事故が発生して保険金が支払われた場合、保険金受取人は保険金から
自分が支払った保険料を差し引いて所得計算することになりますが、その際、
契約変更前の契約者が支払った保険料も含めてしまうケースが少なくありませんでした。
正確な流れとしては、
① 契約者変更時(父死亡時)に解約返戻金相当額が相続税の対象となり、
きちんと申告すること
② 所得計算時、前契約者が支払った保険料は含めてはいけない
ということなのですが、しかし、これまでは契約者変更だけでは調書は発生しなかったため、
納税者自ら申告しない限り、税務署が契約者変更の事実を把握することはできませんでした。
そして、これまでの支払調書では保険金支払い時点の契約内容で作成されるため、
以前に契約者変更があったことまでは確認できませんでした。
そのため、契約変更時及び、保険金支払時に渡って課税もれが発生し得る状況だったのです。
この状況を何とかしたくて、国税庁は要望を出し続けたのです。
今後は、
① 保険会社等は、生命保険契約等について死亡による契約者変更が あった場合には、
死亡による契約者変更情報及び、解約返戻金相当額等を記載した調書を税務署長に
提出しなければならないこととする
② 生命保険契約等の一時金 ・ 保険金等の支払調書について、保険契約の契約者変更が
あった場合には、保険金等の支払時の契約者の払込保険料等を記載することとする
となります。(新制度の適用は平成30年1月1日以後の契約者変更からです)
契約者変更を前提として保険加入した方などは、十分留意してください!!
「 支払調書・調書 」 の改正です。
これで、国税庁の8年越しの要望がかなったことになります。
何のことかわからない方がほとんどだと思われますが、
これにより、生命保険の契約者変更が税務署に把握されることになります。
具体例をあげて説明しましょう。
(生命保険の契約者と被保険者が異なるケース)
例えば、契約者:被相続人(父) 被保険者:相続人(息子)
保険金受取人:被相続人(父)として、契約者である父が死亡したとします。
すると、この保険契約は通常、相続人である息子に引き継がれて(契約者変更して)
継続することになるでしょう。
その後、保険事故が発生して保険金が支払われた場合、保険金受取人は保険金から
自分が支払った保険料を差し引いて所得計算することになりますが、その際、
契約変更前の契約者が支払った保険料も含めてしまうケースが少なくありませんでした。
正確な流れとしては、
① 契約者変更時(父死亡時)に解約返戻金相当額が相続税の対象となり、
きちんと申告すること
② 所得計算時、前契約者が支払った保険料は含めてはいけない
ということなのですが、しかし、これまでは契約者変更だけでは調書は発生しなかったため、
納税者自ら申告しない限り、税務署が契約者変更の事実を把握することはできませんでした。
そして、これまでの支払調書では保険金支払い時点の契約内容で作成されるため、
以前に契約者変更があったことまでは確認できませんでした。
そのため、契約変更時及び、保険金支払時に渡って課税もれが発生し得る状況だったのです。
この状況を何とかしたくて、国税庁は要望を出し続けたのです。
今後は、
① 保険会社等は、生命保険契約等について死亡による契約者変更が あった場合には、
死亡による契約者変更情報及び、解約返戻金相当額等を記載した調書を税務署長に
提出しなければならないこととする
② 生命保険契約等の一時金 ・ 保険金等の支払調書について、保険契約の契約者変更が
あった場合には、保険金等の支払時の契約者の払込保険料等を記載することとする
となります。(新制度の適用は平成30年1月1日以後の契約者変更からです)
契約者変更を前提として保険加入した方などは、十分留意してください!!
- 関連記事
-
- 意外と使われていない 『 個人年金保険料控除 』!! (2015/03/08)
- 『 生命保険料控除 』 における勘違い!! (2015/02/20)
- 生命保険の契約者変更が税務署に把握されることに!! (2015/01/23)
- ネット専業生保は迷走!?「新たな販売チャンネルの強化」と言うが・・・。 (2015/01/09)
- 先進医療特約の注意点!! (2014/12/23)
スポンサーサイト
- TAG :
- 契約者変更
- 支払調書
- 調書
- 平成27年度税制改正大綱
「生保契約の異動」に新調書創設を要望する国税庁!!
- 2012-12-08(19:32) /
- 税金
「生命保険契約の異動」とは、
保険契約締結後に危険事情等の変更に従い、保険契約者などの請求により契約条件を
変更することを指します。
保険実務上は契約条件の変更が必要な場合に、契約者または被保険者はその都度遅滞なく
保険会社に変更内容を通知して承認を求めて保険会社は通知に基づいて保険証券に承認の
裏書をする。危険の変更内容によっては追加保険料が必要となります。
生命保険契約に基づいて死亡保険金や満期保険金、解約返戻金などが支払われた場合、
保険会社は一定のルールに従って作成した支払調書を所轄税務署に提出します。
これは相続税法59条等で定められた法定調書であり、税務署にとっては多額のお金が動いた
場所を特定できる貴重な資料です。
この支払調書によって「だれ」が「いくら」受け取ったかを捕捉でき、
正しく申告されているか、申告漏れがないかを効率よくチェックできるのです。
しかし、保険契約者と被保険者が異なる場合、保険契約者が死亡しても保険会社から
支払調書が提出されることはありません。
保険契約に基づく保険金等の支払いが発生していないためです。
具体的には、契約者 被相続人、被保険者 相続人とする養老保険で名義変更する場合など。
また、保険契約締結後に契約者変更などがあって、
その後、保険金等支払事由が発生した時にも現在の支払調書だけでは、捕捉しきれないなど
「生保契約の異動」に対応しきれていないのが現状です。
相続・贈与税だけでなく、所得税においても問題があるのです。
以前からこの「生保契約の異動」について、税務署が把握しきれずに捕捉できないなどの
問題点は指摘されておりました。
ですので、その仕組みに目をつけた課税逃れは増加傾向にあるということで、
国税庁では来年度税制改正に向けた独自の要望として、
保険の契約者変更を捕捉するための「保険契約の異動に関する調書」の
創設を要望しているようです。
実は、この要望も今年ですでに6回目なのです。
税収不足が叫ばれるなか、また年末の衆院選で政局の混乱を極めるなか、
どうなるのか今後注目していきたいと思います。
注)この仕組みを利用した課税逃れは、もちろん違法です。一時的には逃れられたとしても、
のちに更正決定がきて、しっぺ返しを喰らう可能性が高いものです。
保険代理店などの安易な提案には乗らず、適切な処理をしてください!!
保険契約締結後に危険事情等の変更に従い、保険契約者などの請求により契約条件を
変更することを指します。
保険実務上は契約条件の変更が必要な場合に、契約者または被保険者はその都度遅滞なく
保険会社に変更内容を通知して承認を求めて保険会社は通知に基づいて保険証券に承認の
裏書をする。危険の変更内容によっては追加保険料が必要となります。
生命保険契約に基づいて死亡保険金や満期保険金、解約返戻金などが支払われた場合、
保険会社は一定のルールに従って作成した支払調書を所轄税務署に提出します。
これは相続税法59条等で定められた法定調書であり、税務署にとっては多額のお金が動いた
場所を特定できる貴重な資料です。
この支払調書によって「だれ」が「いくら」受け取ったかを捕捉でき、
正しく申告されているか、申告漏れがないかを効率よくチェックできるのです。
しかし、保険契約者と被保険者が異なる場合、保険契約者が死亡しても保険会社から
支払調書が提出されることはありません。
保険契約に基づく保険金等の支払いが発生していないためです。
具体的には、契約者 被相続人、被保険者 相続人とする養老保険で名義変更する場合など。
また、保険契約締結後に契約者変更などがあって、
その後、保険金等支払事由が発生した時にも現在の支払調書だけでは、捕捉しきれないなど
「生保契約の異動」に対応しきれていないのが現状です。
相続・贈与税だけでなく、所得税においても問題があるのです。
以前からこの「生保契約の異動」について、税務署が把握しきれずに捕捉できないなどの
問題点は指摘されておりました。
ですので、その仕組みに目をつけた課税逃れは増加傾向にあるということで、
国税庁では来年度税制改正に向けた独自の要望として、
保険の契約者変更を捕捉するための「保険契約の異動に関する調書」の
創設を要望しているようです。
実は、この要望も今年ですでに6回目なのです。
税収不足が叫ばれるなか、また年末の衆院選で政局の混乱を極めるなか、
どうなるのか今後注目していきたいと思います。
注)この仕組みを利用した課税逃れは、もちろん違法です。一時的には逃れられたとしても、
のちに更正決定がきて、しっぺ返しを喰らう可能性が高いものです。
保険代理店などの安易な提案には乗らず、適切な処理をしてください!!
- 関連記事
-
- 住宅ローン減税、引き上げ、3年程度延長の方針固まる!! (2012/12/27)
- 贈与税の実態調査が急増!! (2012/12/22)
- 「生保契約の異動」に新調書創設を要望する国税庁!! (2012/12/08)
- 相続税の基礎控除、贈与税の改正はどうなった? (2012/12/04)
- 税務調査が変わる!? (2012/11/26)