相続開始前の遺産分割協議等は有効か?
- 2012-10-05(20:07) /
- 相続
先日、ある親御さんから下記のようなご質問をお受けしました。
『3人のお子さんのうち、ある特定のお子さんに非常に世話になっており、遺留分を超えて
そのお子さんに財産を渡したいが、自分が亡くなってからでは兄弟同士で争うことになる
かもしれないので、生前に自分も交えて話し合い、遺産分割協議書相当を
作成しておきたいが、そういったことは可能なのですか?』
今回のケースは、遺産分割協議書作成のご質問でしたが、
似たような話で、『生前に相続放棄を特定の相続人にしてもらいたいのですが
可能ですか』というものがあります。
どちらも相続発生前の手続きに効力があるかどうかということですが、
答えは、残念ながら、法律的には効力はありません。
したがって、相続発生前に遺産分割協議書を作成しても、無意味といわざるを得ません。
相続人としての地位は、
相続によってはじめて生じるものなのです。
それ以前は、遺産の共有状態すら存在しないので、この時点では相続人としての立場で
遺産分割協議をすることはそもそも不可能です。
つまり、被相続人の生前に話し合いを行って推定相続人間で遺産分割について取決めをしたと
しても、相続が開始したときにそのとおりになるとは限らないということです。
では、このようなケースではどうしたらよいのでしょうか?
このようなケースでは、
「遺言書作成」と「遺留分減殺請求権の放棄」を活用します。
遺言ならば、誰にどの遺産を取得させるかなどの分割方法や、相続分の割合を
指定することが可能です。
そして、遺言によって遺留分が侵害された場合、その侵害の限度で減殺請求を受けることが
あります。
そのため、相続開始の前に、「遺留分減殺請求権の放棄」を特定の子以外にしてもらうのです。
民法1043条の規定により、
家庭裁判所の許可を受ければ、遺留分の放棄をすることができます。
この場合、親が生きている間に相続放棄をしたのと同じ効果を
期待することができます。
被相続人の生存中に、「相続放棄」をすることはできませんが、
「遺留分の放棄」はできるという点に注意をしておきましょう。
くれぐれも、実際に「遺言書作成」、「遺留分の減殺請求権の放棄」の手続きを行う場合は、
専門家に相談しておこなってください!!
ちょっとしたミスでも取り返しのつかないことになりかねませんので。
また、御家族内での話し合いも慎重に、かつ十分に行ったうえ、皆さんがご納得の上で上記、
手続きをされることをお勧めします。
財産の移転はうまくいっても、”争族 ”とならないとは限らないからです。
『3人のお子さんのうち、ある特定のお子さんに非常に世話になっており、遺留分を超えて
そのお子さんに財産を渡したいが、自分が亡くなってからでは兄弟同士で争うことになる
かもしれないので、生前に自分も交えて話し合い、遺産分割協議書相当を
作成しておきたいが、そういったことは可能なのですか?』
今回のケースは、遺産分割協議書作成のご質問でしたが、
似たような話で、『生前に相続放棄を特定の相続人にしてもらいたいのですが
可能ですか』というものがあります。
どちらも相続発生前の手続きに効力があるかどうかということですが、
答えは、残念ながら、法律的には効力はありません。
したがって、相続発生前に遺産分割協議書を作成しても、無意味といわざるを得ません。
相続人としての地位は、
相続によってはじめて生じるものなのです。
それ以前は、遺産の共有状態すら存在しないので、この時点では相続人としての立場で
遺産分割協議をすることはそもそも不可能です。
つまり、被相続人の生前に話し合いを行って推定相続人間で遺産分割について取決めをしたと
しても、相続が開始したときにそのとおりになるとは限らないということです。
では、このようなケースではどうしたらよいのでしょうか?
このようなケースでは、
「遺言書作成」と「遺留分減殺請求権の放棄」を活用します。
遺言ならば、誰にどの遺産を取得させるかなどの分割方法や、相続分の割合を
指定することが可能です。
そして、遺言によって遺留分が侵害された場合、その侵害の限度で減殺請求を受けることが
あります。
そのため、相続開始の前に、「遺留分減殺請求権の放棄」を特定の子以外にしてもらうのです。
民法1043条の規定により、
家庭裁判所の許可を受ければ、遺留分の放棄をすることができます。
この場合、親が生きている間に相続放棄をしたのと同じ効果を
期待することができます。
被相続人の生存中に、「相続放棄」をすることはできませんが、
「遺留分の放棄」はできるという点に注意をしておきましょう。
くれぐれも、実際に「遺言書作成」、「遺留分の減殺請求権の放棄」の手続きを行う場合は、
専門家に相談しておこなってください!!
ちょっとしたミスでも取り返しのつかないことになりかねませんので。
また、御家族内での話し合いも慎重に、かつ十分に行ったうえ、皆さんがご納得の上で上記、
手続きをされることをお勧めします。
財産の移転はうまくいっても、”争族 ”とならないとは限らないからです。
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