「相続放棄」の失敗事例
- 2017-06-20(18:55) /
- 相続
先日、「相続放棄」の失敗事例として、こんな記事を読みましたのでご紹介します。
(事例) 父親を亡くしたOさんは、兄からの提案で相続放棄の手続きをしました。
相続財産の大半は自宅と預貯金なので、同じ相続人の母親が生活に困ら
ないよう、すべて母親に譲るということで、兄と相続放棄の書類に署名捺印
したのです。
ところが遺産分割協議が始まる段階になって、大きな間違いを犯したことに
気づきました。
それは、Oさんと兄が相続放棄すると、父の弟と妹(Oさんの伯父と叔母)に
相続権が移行してしまうのです。
慌てて伯父と叔母に相続放棄を頼みましたが応じてくれません。
これは、「相続放棄」と「相続分の放棄」とを間違えた事例です。
以前の記事で
「相続の放棄」と「相続分の放棄」は違うものです!!
http://riplabo.blog.fc2.com/category9-1.html
で詳細はお読みいただければと存じますが、要は「相続放棄」では相続権が移行すると
いうことを知らなかったわけです。
(相続分の放棄では相続権は移行しません)
さらに、「相続放棄」に関する面倒くさい手間も必要ありませんでした。
では、こういった間違いによる「相続放棄」は撤回出来ないのでしょうか?
「撤回できる」とされている法的ケースとしては、
〇 詐欺や脅迫により手続きしたケース
〇 未成年者の相続人が勝手に手続きしたケース
〇 後見人が勝手に手続きしたケース
などがありますが、今回は当てはまっておりません。
今回のケースでは、撤回できる余地はあるものの、裁判により判断を求めなければ
なりません。
折角の母親の為との行為が、チョットした間違いで大事になってしまったケースです。
(叔父、叔母が相続放棄しないのは正直不自然ですが)
有り得ない事例ではありませんので、再度、「相続放棄」と「相続分の放棄」の違いを
理解しておいてください!!<(_ _)>
(事例) 父親を亡くしたOさんは、兄からの提案で相続放棄の手続きをしました。
相続財産の大半は自宅と預貯金なので、同じ相続人の母親が生活に困ら
ないよう、すべて母親に譲るということで、兄と相続放棄の書類に署名捺印
したのです。
ところが遺産分割協議が始まる段階になって、大きな間違いを犯したことに
気づきました。
それは、Oさんと兄が相続放棄すると、父の弟と妹(Oさんの伯父と叔母)に
相続権が移行してしまうのです。
慌てて伯父と叔母に相続放棄を頼みましたが応じてくれません。
これは、「相続放棄」と「相続分の放棄」とを間違えた事例です。
以前の記事で
「相続の放棄」と「相続分の放棄」は違うものです!!
http://riplabo.blog.fc2.com/category9-1.html
で詳細はお読みいただければと存じますが、要は「相続放棄」では相続権が移行すると
いうことを知らなかったわけです。
(相続分の放棄では相続権は移行しません)
さらに、「相続放棄」に関する面倒くさい手間も必要ありませんでした。
では、こういった間違いによる「相続放棄」は撤回出来ないのでしょうか?
「撤回できる」とされている法的ケースとしては、
〇 詐欺や脅迫により手続きしたケース
〇 未成年者の相続人が勝手に手続きしたケース
〇 後見人が勝手に手続きしたケース
などがありますが、今回は当てはまっておりません。
今回のケースでは、撤回できる余地はあるものの、裁判により判断を求めなければ
なりません。
折角の母親の為との行為が、チョットした間違いで大事になってしまったケースです。
(叔父、叔母が相続放棄しないのは正直不自然ですが)
有り得ない事例ではありませんので、再度、「相続放棄」と「相続分の放棄」の違いを
理解しておいてください!!<(_ _)>
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「相続の放棄」と「相続分の放棄」は違うものです!!
- 2016-04-09(19:09) /
- 相続
「相続の放棄」と「相続分の放棄」とでは、一字違いですが、その意味合いが
違うということを理解されてみえますか?
「相続の放棄」は、
相続開始を知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所へ申し立てをすることで相続人ではなくなり、
遺産の相続権利を放棄するかわりに、債務の相続もしないで済む相続手続きのこと。
「相続分の放棄」は、
遺産分割前に財産を放棄することの意思表示であり、家庭裁判所への手続きは
必要ありません。
大きな違いは、債務の返済義務は残ったままということです。
「相続放棄」と「相続分の放棄」とでは、相続分の計算方法も下記のように違ってきます。
「相続放棄」の場合
〇 相続人を配偶者、子供A、子供Bとします。
本来法定相続分は配偶者:1/2、子供A:1/4、子供B:1/4です。
しかし、子供Bが「相続放棄」をすると、相続人からはずれますので、
相続分は、配偶者:1/2、子供A:1/2 となります。
「相続分の放棄」の場合
〇 相続人を配偶者、子供A、子供Bとします。
本来法定相続分は配偶者:1/2、子供A:1/4、子供B:1/4です。
しかし、子供Bが「相続分の放棄」をすると、その相続分は他の相続人へ
相続分率に応じて配分されることになります。
相続分は、配偶者:2/3、子供A:1/3 となるのです。
このように、「相続放棄」と「相続分の放棄」とでは、相続分が違ってくることに
注意が必要です。
さらに、上記で述べたように通常、「相続分の放棄」については、
家庭裁判所への手続きは必要なく、法廷相続人にその旨を口頭で伝えるだけでもOKですが、
不動産の登記申請を伴う場合には実務上、書類が必要になることがあります。
その書類とは、相続分のないことを証明する相続分不存在証明書のことです。
(相続分不存在証明書以外に特別受益証明書、相続分皆無証明書、相続分なきことの証明書と
言ったりします)
これは、放棄者自身が作成することになります。
被相続人に不動産以外の遺産がなく、相続する人としない人に分かれる場合などは、
相続しない人がこの「相続分不存在証明書」に実印を押印し、印鑑証明書を添付するだけで、
不動産を相続する人への所有権移転登記が可能になります。
「相続の放棄」と「相続分の放棄」は、一字違いですが、
その意味合いなどが違うということを憶えて置いてください!!
違うということを理解されてみえますか?
「相続の放棄」は、
相続開始を知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所へ申し立てをすることで相続人ではなくなり、
遺産の相続権利を放棄するかわりに、債務の相続もしないで済む相続手続きのこと。
「相続分の放棄」は、
遺産分割前に財産を放棄することの意思表示であり、家庭裁判所への手続きは
必要ありません。
大きな違いは、債務の返済義務は残ったままということです。
「相続放棄」と「相続分の放棄」とでは、相続分の計算方法も下記のように違ってきます。
「相続放棄」の場合
〇 相続人を配偶者、子供A、子供Bとします。
本来法定相続分は配偶者:1/2、子供A:1/4、子供B:1/4です。
しかし、子供Bが「相続放棄」をすると、相続人からはずれますので、
相続分は、配偶者:1/2、子供A:1/2 となります。
「相続分の放棄」の場合
〇 相続人を配偶者、子供A、子供Bとします。
本来法定相続分は配偶者:1/2、子供A:1/4、子供B:1/4です。
しかし、子供Bが「相続分の放棄」をすると、その相続分は他の相続人へ
相続分率に応じて配分されることになります。
相続分は、配偶者:2/3、子供A:1/3 となるのです。
このように、「相続放棄」と「相続分の放棄」とでは、相続分が違ってくることに
注意が必要です。
さらに、上記で述べたように通常、「相続分の放棄」については、
家庭裁判所への手続きは必要なく、法廷相続人にその旨を口頭で伝えるだけでもOKですが、
不動産の登記申請を伴う場合には実務上、書類が必要になることがあります。
その書類とは、相続分のないことを証明する相続分不存在証明書のことです。
(相続分不存在証明書以外に特別受益証明書、相続分皆無証明書、相続分なきことの証明書と
言ったりします)
これは、放棄者自身が作成することになります。
被相続人に不動産以外の遺産がなく、相続する人としない人に分かれる場合などは、
相続しない人がこの「相続分不存在証明書」に実印を押印し、印鑑証明書を添付するだけで、
不動産を相続する人への所有権移転登記が可能になります。
「相続の放棄」と「相続分の放棄」は、一字違いですが、
その意味合いなどが違うということを憶えて置いてください!!
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『 相続分の放棄 』 と 『 相続放棄 』 は、意味が全然違う!!
- 2014-09-30(18:57) /
- 相続
よく似た言葉に『 相続分の放棄 』 と 『 相続放棄 』 と
いうものがあります。
ですが、2つの意味は全然違うものになりますので注意しましょう!!
まず、『 相続分の放棄 』 とは、
相続人が単純相続した後に、遺産を取得しないことをいいます。
「 共有持分権の放棄 」 ともいいます。
そして、『 相続放棄 』 とは、
相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に
家庭裁判所に申立て、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないようにすることです。
では、何がどう違うのでしょうか?
『 相続分の放棄 』 は、相続人としての地位を失いませんので、プラスの財産は放棄したと
しても、マイナスの財産(借金など)の相続債務を免れることはできません。
ですので、共同相続人間での遺産分割協議で 『 相続分の放棄 』 をおこなっても、
債権者に対しては、対抗できないのです。
それに対して、『 相続放棄 』 のほうは、
家庭裁判所が放棄の申述を受理する旨の審判をすることによって、その効力が生じ、
その相続人は、初めから相続人でなかったものとみなされます。
ですので、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないため、
債権者にも対抗できるのです。
(もちろん、子や孫への代襲相続もありません)
このように似たような言葉ですが、意味合いは全く異なります。
お間違えのないようしてください!!
いうものがあります。
ですが、2つの意味は全然違うものになりますので注意しましょう!!
まず、『 相続分の放棄 』 とは、
相続人が単純相続した後に、遺産を取得しないことをいいます。
「 共有持分権の放棄 」 ともいいます。
そして、『 相続放棄 』 とは、
相続人が、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に
家庭裁判所に申立て、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないようにすることです。
では、何がどう違うのでしょうか?
『 相続分の放棄 』 は、相続人としての地位を失いませんので、プラスの財産は放棄したと
しても、マイナスの財産(借金など)の相続債務を免れることはできません。
ですので、共同相続人間での遺産分割協議で 『 相続分の放棄 』 をおこなっても、
債権者に対しては、対抗できないのです。
それに対して、『 相続放棄 』 のほうは、
家庭裁判所が放棄の申述を受理する旨の審判をすることによって、その効力が生じ、
その相続人は、初めから相続人でなかったものとみなされます。
ですので、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないため、
債権者にも対抗できるのです。
(もちろん、子や孫への代襲相続もありません)
このように似たような言葉ですが、意味合いは全く異なります。
お間違えのないようしてください!!
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- THEME : ファイナンシャル・プランナー(FP)
- GENRE : ファイナンス