死後離縁と相続の関係は?
- 2014-03-02(18:45) /
- 相続
養子縁組は、養親又は、養子が死亡しても、
そのことをもって自然に解消(離縁)とはなりません。
つまりは、養子縁組先の親族関係にずっととらわれることになります。
では、いつまでも養子縁組先の親族関係からは逃れられないのかいうとそうではありません。
(もちろん、親族関係に問題がなければ離縁する必要はありません)
その際は、養親又は養子が死亡した後で、
その者と養子縁組をしている生存当事者が家庭裁判所の許可を得て
離縁することができるのです。これを 「死後離縁」 といいます。
実際の手続きは、申立人の住所地の家庭裁判所に下記を準備して申立てます。
① 申立書
② 養親の戸籍謄本(全部事項証明書)
③ 養子の戸籍謄本(全部事項証明書)
注)死亡している方の戸籍は,死亡の記載のあるもの(除籍,改製原戸籍)を
お取りください。
*標準的な申立添付書類です。
審理のために必要な場合は、追加書類を求められることがあります。
費用は、収入印紙800円分(離縁を求める養親子関係1つにつき)と
連絡用の郵便切手代です。
そして、家庭裁判所の許可審判が確定した後に市区町村役場に届出をします。
届出には、審判書謄本と確定証明書が必要になりますので審判をした家庭裁判所に
確定証明書の交付の申請をしてから申立人の本籍地又は住所地の役場に
養子離縁の届出をしてください。
死後離縁と相続の関係では、
死後離縁した場合でも、養親子関係に基づき既に生じた相続における相続人の地位は、
影響を受けることはありません。
つまり、養親死亡後に相続人である養子が養親との養子関係を死後離縁した場合でも、
養子は依然として亡養親の相続人のままとなります。
死後離縁することにより、養子縁組先の兄弟姉妹との親族関係は無くなりますので、
将来的に養子が死亡した際に発生する相続の際には、養子縁組先の兄弟姉妹は
相続人の資格は無くなります。
最後に、家庭裁判所は死後離縁を審判する際には、
養子縁組を解消する合理的な理由や生存当事者からの離縁の要求が正義に反しないかなどと
いう見地から検討しますので、全てが認められるわけではないことを
承知しておいてください。
そのことをもって自然に解消(離縁)とはなりません。
つまりは、養子縁組先の親族関係にずっととらわれることになります。
では、いつまでも養子縁組先の親族関係からは逃れられないのかいうとそうではありません。
(もちろん、親族関係に問題がなければ離縁する必要はありません)
その際は、養親又は養子が死亡した後で、
その者と養子縁組をしている生存当事者が家庭裁判所の許可を得て
離縁することができるのです。これを 「死後離縁」 といいます。
実際の手続きは、申立人の住所地の家庭裁判所に下記を準備して申立てます。
① 申立書
② 養親の戸籍謄本(全部事項証明書)
③ 養子の戸籍謄本(全部事項証明書)
注)死亡している方の戸籍は,死亡の記載のあるもの(除籍,改製原戸籍)を
お取りください。
*標準的な申立添付書類です。
審理のために必要な場合は、追加書類を求められることがあります。
費用は、収入印紙800円分(離縁を求める養親子関係1つにつき)と
連絡用の郵便切手代です。
そして、家庭裁判所の許可審判が確定した後に市区町村役場に届出をします。
届出には、審判書謄本と確定証明書が必要になりますので審判をした家庭裁判所に
確定証明書の交付の申請をしてから申立人の本籍地又は住所地の役場に
養子離縁の届出をしてください。
死後離縁と相続の関係では、
死後離縁した場合でも、養親子関係に基づき既に生じた相続における相続人の地位は、
影響を受けることはありません。
つまり、養親死亡後に相続人である養子が養親との養子関係を死後離縁した場合でも、
養子は依然として亡養親の相続人のままとなります。
死後離縁することにより、養子縁組先の兄弟姉妹との親族関係は無くなりますので、
将来的に養子が死亡した際に発生する相続の際には、養子縁組先の兄弟姉妹は
相続人の資格は無くなります。
最後に、家庭裁判所は死後離縁を審判する際には、
養子縁組を解消する合理的な理由や生存当事者からの離縁の要求が正義に反しないかなどと
いう見地から検討しますので、全てが認められるわけではないことを
承知しておいてください。
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- THEME : ファイナンシャル・プランナー(FP)
- GENRE : ファイナンス
『 限定承認 』を利用するには乗り越えなければいけないことが多い!!
- 2013-12-24(18:21) /
- 相続
『 限定承認 』とは、
プラス・マイナス問わず全ての財産を受け入れる単純承認とは異なり、
被相続人が残した財産を調査し、プラス財産からマイナス財産を差し引き、それでもなお、
プラスの財産が残っているのであれば、その余り(プラス財産)の分だけ相続をし、
逆に、プラス財産をはるかに上回るマイナス財産が存在する場合には、
借金を背負うことになるため、相続人は相続をしないという制度です。
この制度は、おもに
① 多くの資産があるが、負債額が不明という場合
② 負債があるが、どうしても相続したい財産がある場合
③ 負債があっても、家業を継いでいきたい場合
などにおすすめです。
合理的に思えるこの制度ですが、実は、
あまり利用されていないのが現状なのです。
その理由は、つぎのような理由があげられます。
・ 限定承認をするためには、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、
家庭裁判所に限定承認の申立てをしなければならない(期限の制約が厳しいこと)
注)事情によっては、家庭裁判所へ申出ることで期間の延長をしてもらうことは可能
・ 相続人が複数存在する場合には、相続人全員で限定承認を選択しなければならない
(相続人全員の同意を取り付けることの難しさがある)
・ 限定承認をするには、「限定承認申述書」等を作成し、被相続人の住所地
(または相続が開始した場所)を管轄する家庭裁判所に申し出しなければならない
(事務処理等が複雑すぎること)
・ 事務処理が複雑すぎるとして、専門家に依頼すると通常の相続手続きよりも報酬が高額
に設定されている場合が多く、一般的には最低50万~100万円程度もかかる場合が
多い。(費用対効果が判断できない)
このような理由により、この制度の利用は非常に少ないのです。
さらに、限定承認を利用する際には、税金についても考慮しなければならないので
そちらにも注意が必要です。
『 限定承認 』を利用するには、
乗り越えなければいけないことが多いことを認識して、
判断するようにしてください!!
プラス・マイナス問わず全ての財産を受け入れる単純承認とは異なり、
被相続人が残した財産を調査し、プラス財産からマイナス財産を差し引き、それでもなお、
プラスの財産が残っているのであれば、その余り(プラス財産)の分だけ相続をし、
逆に、プラス財産をはるかに上回るマイナス財産が存在する場合には、
借金を背負うことになるため、相続人は相続をしないという制度です。
この制度は、おもに
① 多くの資産があるが、負債額が不明という場合
② 負債があるが、どうしても相続したい財産がある場合
③ 負債があっても、家業を継いでいきたい場合
などにおすすめです。
合理的に思えるこの制度ですが、実は、
あまり利用されていないのが現状なのです。
その理由は、つぎのような理由があげられます。
・ 限定承認をするためには、相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、
家庭裁判所に限定承認の申立てをしなければならない(期限の制約が厳しいこと)
注)事情によっては、家庭裁判所へ申出ることで期間の延長をしてもらうことは可能
・ 相続人が複数存在する場合には、相続人全員で限定承認を選択しなければならない
(相続人全員の同意を取り付けることの難しさがある)
・ 限定承認をするには、「限定承認申述書」等を作成し、被相続人の住所地
(または相続が開始した場所)を管轄する家庭裁判所に申し出しなければならない
(事務処理等が複雑すぎること)
・ 事務処理が複雑すぎるとして、専門家に依頼すると通常の相続手続きよりも報酬が高額
に設定されている場合が多く、一般的には最低50万~100万円程度もかかる場合が
多い。(費用対効果が判断できない)
このような理由により、この制度の利用は非常に少ないのです。
さらに、限定承認を利用する際には、税金についても考慮しなければならないので
そちらにも注意が必要です。
『 限定承認 』を利用するには、
乗り越えなければいけないことが多いことを認識して、
判断するようにしてください!!
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- GENRE : ファイナンス
遺産共有とは?
- 2012-08-30(18:49) /
- 相続
人が死亡する(相続がはじまる)と、複数の相続人は各自の相続分に応じて相続財産を共有する
ことになります。(民898条)
この共有状態のことを「遺産共有」と言います。
この遺産共有状態は、「遺産分割」までの暫定的な状態です。
【イメージ】
相続の開始(=人の死亡)→ 遺産共有 → 遺産分割
しかしながら、全ての相続財産が遺産共有になるわけではありません。
まずは、相続財産の定義として、
相続財産 = 被相続人の全財産-(一身専属的権利義務+祭祀財産)
(財産といってもプラスのものばかりでなく、マイナスのもの(負債など)も含まれます)
その相続財産のうち、遺産分割手続を経ずして、相続開始と同時に、当然に、
各共同相続人に分割される財産があります。つぎのようなものです。
① 可分債権・可分債務(最判S29.4.8)
②「相続させる」旨の遺言の目的物
(最判H3.4.19。遺産分割方法の指定であり,被相続人の死亡時に直ちに承継される)
③ 特定遺贈や死因贈与の目的物
相続財産(遺産)のうち、①~③の当然に分割される物を除いたものが、
共同相続人の(一時的な)「共有」となって、遺産分割の対象となるわけです。
つまり、遺産分割協議は、原則、遺産共有物をどう分けるかを話し合いで決めるわけです。
原則と書いたのは、預貯金などの可分債権でも共同相続人全員が同意すれば、
これを遺産分割の対象財産の中に取り込んで分割協議の対象にすることに差し障りないからです。
また遺産共有は、基本的には物権法に言う共有と捉えるのが判例の立場なのですが、
ここは、遺産という特殊性があります。
例えば、分割の際には、通常の共有物分割請求はできず、協議ないし、家裁の
遺産分割審判によらなければなりません。
最後に注意点として、
いくら合法であっても、金融機関(銀行など)の実務においては、共同相続人の1人が
自己の相続分に相当する額の払い戻し請求をしても応じてくれない例があります。
金融機関がトラブルを恐れるという理由が多いと思われますが。
このような場合は、訴訟をすることになる場合もあります。
(弁護士を代理人として交渉して、支払って貰えた例もあります。)
やはり、込み入ったケースですと専門家の協力が必要になるということですね。
ことになります。(民898条)
この共有状態のことを「遺産共有」と言います。
この遺産共有状態は、「遺産分割」までの暫定的な状態です。
【イメージ】
相続の開始(=人の死亡)→ 遺産共有 → 遺産分割
しかしながら、全ての相続財産が遺産共有になるわけではありません。
まずは、相続財産の定義として、
相続財産 = 被相続人の全財産-(一身専属的権利義務+祭祀財産)
(財産といってもプラスのものばかりでなく、マイナスのもの(負債など)も含まれます)
その相続財産のうち、遺産分割手続を経ずして、相続開始と同時に、当然に、
各共同相続人に分割される財産があります。つぎのようなものです。
① 可分債権・可分債務(最判S29.4.8)
②「相続させる」旨の遺言の目的物
(最判H3.4.19。遺産分割方法の指定であり,被相続人の死亡時に直ちに承継される)
③ 特定遺贈や死因贈与の目的物
相続財産(遺産)のうち、①~③の当然に分割される物を除いたものが、
共同相続人の(一時的な)「共有」となって、遺産分割の対象となるわけです。
つまり、遺産分割協議は、原則、遺産共有物をどう分けるかを話し合いで決めるわけです。
原則と書いたのは、預貯金などの可分債権でも共同相続人全員が同意すれば、
これを遺産分割の対象財産の中に取り込んで分割協議の対象にすることに差し障りないからです。
また遺産共有は、基本的には物権法に言う共有と捉えるのが判例の立場なのですが、
ここは、遺産という特殊性があります。
例えば、分割の際には、通常の共有物分割請求はできず、協議ないし、家裁の
遺産分割審判によらなければなりません。
最後に注意点として、
いくら合法であっても、金融機関(銀行など)の実務においては、共同相続人の1人が
自己の相続分に相当する額の払い戻し請求をしても応じてくれない例があります。
金融機関がトラブルを恐れるという理由が多いと思われますが。
このような場合は、訴訟をすることになる場合もあります。
(弁護士を代理人として交渉して、支払って貰えた例もあります。)
やはり、込み入ったケースですと専門家の協力が必要になるということですね。
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