基礎断熱について
- 2012-12-05(18:28) /
- 住宅(不動産)
高気密高断熱の住宅が望まれる中、床下からの性能劣化を抑えるために基礎断熱工法を
施工されてみえる現場をよくみかけるようになりました。
今回は、基礎断熱の基本的な説明と注意点をお話したいと思います。
基礎断熱のおもな工法として、
① 床断熱工法
建物の一階床下の全面に断熱材を取り付けて、外部の温度(熱気、冷気)の影響を
受けないようにする工法で、日本の住宅では従来から広く施工されている工法です。
床下の風通しを良くするために床下換気口などを設置します。
② 基礎内断熱工法
基礎の内側の立上りと底部に断熱材を敷き詰め(または基礎の1m内側の中央部は
地熱の効果を期待して断熱材を入れず)外界の温度を 遮断するやり方です。
現在、基礎断熱工法の主流です。
③ 基礎外断熱工法
床下に断熱材を施工せず、建物の外周に面した基礎立ち上がりに板状の断熱材を
施工し、床下換気口を設けない工法です。
があります。
①の床断熱工法の注意点は、
断熱材が自重で下がり床材と断熱材の間に隙間が生じ、そこに冷気が侵入して、
床材下部が冷やされ、充分な換気量を確保しないと、寒冷地では結露やカビが発生する
ことがあります。
また、従来の床断熱で気密化を図ろうとすると、
・床から貫通する給配水管等
・床下点検口の気密処理
・ユニットバス周りの気密処理
・床の間仕切り間の気流止め先張りシート(一部の建築工法では不要)
・玄関の土間部分の周囲の土台回りに気密処理
など特別に気密処理する箇所が増え、それだけ施工技術や配慮が問われることになります。
②の基礎内断熱工法の注意点は、
③と同じく、断熱気密性能を安定的に確保しやすい反面、
・防蟻処理が難しく、シックハウスの恐れあり
・室内と床下の空気が循環する為、冷暖房をする気積(容積)が増え、光熱費が余分に
掛かる。
・③に比べシロアリの侵入経路にはなりにくいが、侵入を許した場合、繁殖しやすい環境
であり、被害速度が早い。
③の基礎外断熱工法の注意点は、
外周壁の布基礎部分の気密化を意識するだけで気密施工が容易に出来るので、断熱気密性能を
安定的に確保しやすい反面、
・基礎断熱材の表面処理が必要であり、またそれが問題の発生源になる可能性がある。
・防蟻対策が難しく、シックハウスの恐れあり
・基礎コンクリートの湿気が1年位は放散するので、対策が必要
・室内と床下の空気が循環する為、冷暖房をする気積(容積)が増え、光熱費が余分に
掛かる。
・シロアリの侵入経路になりやすい
このように、高気密高断熱性能のみを追求すると、基礎断熱工法は有効ですが、
どの工法にもメリット・デメリットがあり、どの工法がいいというものではないと
思われます。(これは構造や建築工法にも言えることですが・・・)
ニーズや予算、施工能力、地域環境などを踏まえたうえで、
湿気対策、換気対策、シロアリ対策なども考慮して高気密高断熱を検討しなければ
ならないと思います。
どの業者も自社が一番であるような説明に終始なりがちですが、
それは案外、自社以外のものの特徴や違いを正確に理解せずに話されていることが
多いように感じます。(都合のいいように解釈している)
どの工法でも特徴をしっかり理解して、デメリット対策をしっかり施したうえで
メリットを最大に享受できればいいはずです。
あとは、お施主様のニーズや価値観などとの問題で優劣がでてくるのだと思います。
それができる専門家が少ないのですが・・・。
高気密高断熱追求の裏には、問題があることも忘れずに検討してください!!
施工されてみえる現場をよくみかけるようになりました。
今回は、基礎断熱の基本的な説明と注意点をお話したいと思います。
基礎断熱のおもな工法として、
① 床断熱工法
建物の一階床下の全面に断熱材を取り付けて、外部の温度(熱気、冷気)の影響を
受けないようにする工法で、日本の住宅では従来から広く施工されている工法です。
床下の風通しを良くするために床下換気口などを設置します。
② 基礎内断熱工法
基礎の内側の立上りと底部に断熱材を敷き詰め(または基礎の1m内側の中央部は
地熱の効果を期待して断熱材を入れず)外界の温度を 遮断するやり方です。
現在、基礎断熱工法の主流です。
③ 基礎外断熱工法
床下に断熱材を施工せず、建物の外周に面した基礎立ち上がりに板状の断熱材を
施工し、床下換気口を設けない工法です。
があります。
①の床断熱工法の注意点は、
断熱材が自重で下がり床材と断熱材の間に隙間が生じ、そこに冷気が侵入して、
床材下部が冷やされ、充分な換気量を確保しないと、寒冷地では結露やカビが発生する
ことがあります。
また、従来の床断熱で気密化を図ろうとすると、
・床から貫通する給配水管等
・床下点検口の気密処理
・ユニットバス周りの気密処理
・床の間仕切り間の気流止め先張りシート(一部の建築工法では不要)
・玄関の土間部分の周囲の土台回りに気密処理
など特別に気密処理する箇所が増え、それだけ施工技術や配慮が問われることになります。
②の基礎内断熱工法の注意点は、
③と同じく、断熱気密性能を安定的に確保しやすい反面、
・防蟻処理が難しく、シックハウスの恐れあり
・室内と床下の空気が循環する為、冷暖房をする気積(容積)が増え、光熱費が余分に
掛かる。
・③に比べシロアリの侵入経路にはなりにくいが、侵入を許した場合、繁殖しやすい環境
であり、被害速度が早い。
③の基礎外断熱工法の注意点は、
外周壁の布基礎部分の気密化を意識するだけで気密施工が容易に出来るので、断熱気密性能を
安定的に確保しやすい反面、
・基礎断熱材の表面処理が必要であり、またそれが問題の発生源になる可能性がある。
・防蟻対策が難しく、シックハウスの恐れあり
・基礎コンクリートの湿気が1年位は放散するので、対策が必要
・室内と床下の空気が循環する為、冷暖房をする気積(容積)が増え、光熱費が余分に
掛かる。
・シロアリの侵入経路になりやすい
このように、高気密高断熱性能のみを追求すると、基礎断熱工法は有効ですが、
どの工法にもメリット・デメリットがあり、どの工法がいいというものではないと
思われます。(これは構造や建築工法にも言えることですが・・・)
ニーズや予算、施工能力、地域環境などを踏まえたうえで、
湿気対策、換気対策、シロアリ対策なども考慮して高気密高断熱を検討しなければ
ならないと思います。
どの業者も自社が一番であるような説明に終始なりがちですが、
それは案外、自社以外のものの特徴や違いを正確に理解せずに話されていることが
多いように感じます。(都合のいいように解釈している)
どの工法でも特徴をしっかり理解して、デメリット対策をしっかり施したうえで
メリットを最大に享受できればいいはずです。
あとは、お施主様のニーズや価値観などとの問題で優劣がでてくるのだと思います。
それができる専門家が少ないのですが・・・。
高気密高断熱追求の裏には、問題があることも忘れずに検討してください!!
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