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保険金の支払い方の基本的な違い
- 2012-11-15(18:37) /
- 損害保険
かんぽ生命の保険金の支払い漏れが、
今年2~7月の金融庁の検査で発覚。
指摘を受けたかんぽ生命が調べたところ、郵政民営化後の2007年10月~12年9月の
5年間で約10万件、計約100億円の保険金が、
契約者からの請求がないことを理由に支払われていない可能性があることがわかった。
事態を重くみた金融庁は報告徴求命令を出し、厳格な対応を求めているというニュースが
流れているなか、今一度、保険金支払いについてお話したいと思います。
保険金の支払い方の基本的な違いが、生命保険、損害保険にはあります。
損害保険を中心にお話をしていきますが、生命保険との違いも簡単に説明いたします。
生命保険は「ヒト」を保険の目的にし、損害保険は主に「モノ」を保険の目的にします。
生命保険での「ヒト」の体には値段をつけることはできませんので、一定の範囲で、
契約者が金額を自由に決めて契約し、それを保険金として支払う「定額払い」です。
それに対して損害保険の「モノ」には、時価や再調達価額という値段をつけることが可能
ですので、「モノ」を評価した金額で保険契約をし、その金額の範囲で実際の損害
(全額あるいは修理できれば修理代など)を保険金として支払う「実損払い」です。
この基本的な考え方がありますので、損害保険においては、保険太りということが
ないのです。
(費用保険金が付帯されていますと、実損額を超える場合はあります)
この基本を押さえて、具体的に損害保険の保険商品ごとに考えてみますと、
自動車保険は、「ヒト」「モノ」の混合保険、火災保険は、「モノ」保険、
賠償責任保険は保険対象により、「ヒト」保険であったり、「モノ」保険であったり。
その中で、地震保険は異質だといえます。
地震保険は、保険金を使って新たに同じものを再購入・再築するという考え方ではなく、
被災後の生活再建に役立てるという考え方が根底にあるからです。
ですので、保険金の支払い方も全損・半損・一部損の3段階に限られますし、
実際の損害額がいくらということは関係がありません。
これは、地震災害のように非常に多くの人が同時に被害を受けるような場合、
お互いを支え合うという保険の仕組みそのものが成り立ちにくいところからきています。
地震保険を一般的な「モノ」保険と考えてみえる方は注意しましょう!!
最後に最近懸念していることですが、保険販売において、”入口 ”ばかりが多様化していて、
”出口 ”対策が伴っていない危険性が大きくなっているということです。
具体的には、保険加入の窓口は、直販、代理店だけでなく、銀行、ネット、商品によっては、
住宅メーカー、不動産屋などまでが販売しています。
しかし、その多くは販売(手数料獲得)のみが目的になってしまっているところが多く、
保険金支払いについては、あまり真剣に取り組んでいるようには思えません。
今回のかんぽ生命の不払いのニュースも根底は同じことです。
保険金は請求されなければ、保険会社は支払うことができないのです。
保険金支払いのときに、
力になってもらえる存在が最も大切であるということ
を加入時に考えて検討していただきたいと思います。
そうでなければ、いくら保険料が安かろうと加入する意味はありません。
今年2~7月の金融庁の検査で発覚。
指摘を受けたかんぽ生命が調べたところ、郵政民営化後の2007年10月~12年9月の
5年間で約10万件、計約100億円の保険金が、
契約者からの請求がないことを理由に支払われていない可能性があることがわかった。
事態を重くみた金融庁は報告徴求命令を出し、厳格な対応を求めているというニュースが
流れているなか、今一度、保険金支払いについてお話したいと思います。
保険金の支払い方の基本的な違いが、生命保険、損害保険にはあります。
損害保険を中心にお話をしていきますが、生命保険との違いも簡単に説明いたします。
生命保険は「ヒト」を保険の目的にし、損害保険は主に「モノ」を保険の目的にします。
生命保険での「ヒト」の体には値段をつけることはできませんので、一定の範囲で、
契約者が金額を自由に決めて契約し、それを保険金として支払う「定額払い」です。
それに対して損害保険の「モノ」には、時価や再調達価額という値段をつけることが可能
ですので、「モノ」を評価した金額で保険契約をし、その金額の範囲で実際の損害
(全額あるいは修理できれば修理代など)を保険金として支払う「実損払い」です。
この基本的な考え方がありますので、損害保険においては、保険太りということが
ないのです。
(費用保険金が付帯されていますと、実損額を超える場合はあります)
この基本を押さえて、具体的に損害保険の保険商品ごとに考えてみますと、
自動車保険は、「ヒト」「モノ」の混合保険、火災保険は、「モノ」保険、
賠償責任保険は保険対象により、「ヒト」保険であったり、「モノ」保険であったり。
その中で、地震保険は異質だといえます。
地震保険は、保険金を使って新たに同じものを再購入・再築するという考え方ではなく、
被災後の生活再建に役立てるという考え方が根底にあるからです。
ですので、保険金の支払い方も全損・半損・一部損の3段階に限られますし、
実際の損害額がいくらということは関係がありません。
これは、地震災害のように非常に多くの人が同時に被害を受けるような場合、
お互いを支え合うという保険の仕組みそのものが成り立ちにくいところからきています。
地震保険を一般的な「モノ」保険と考えてみえる方は注意しましょう!!
最後に最近懸念していることですが、保険販売において、”入口 ”ばかりが多様化していて、
”出口 ”対策が伴っていない危険性が大きくなっているということです。
具体的には、保険加入の窓口は、直販、代理店だけでなく、銀行、ネット、商品によっては、
住宅メーカー、不動産屋などまでが販売しています。
しかし、その多くは販売(手数料獲得)のみが目的になってしまっているところが多く、
保険金支払いについては、あまり真剣に取り組んでいるようには思えません。
今回のかんぽ生命の不払いのニュースも根底は同じことです。
保険金は請求されなければ、保険会社は支払うことができないのです。
保険金支払いのときに、
力になってもらえる存在が最も大切であるということ
を加入時に考えて検討していただきたいと思います。
そうでなければ、いくら保険料が安かろうと加入する意味はありません。
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