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相続税の申告・納税と遺産分割
- 2012-07-07(17:22) /
- 相続
相続税の申告・納税と遺産分割について混同されてみえる方がたまにおみえになります。
今回は、簡単に解説させていただいた上で注意点をお話いたします。
相続税の申告・納税についてですが、期限があります。
申告・納税期限は、相続開始を知った日(被相続人の死亡した日)の翌日から10ヶ月以内と
なっています。
相続税の申告をするときは、被相続人(財産をあげる人)が死亡したときの住所地を所轄する
税務署に相続税の申告書を提出します。(相続人の住所地を所轄する税務署ではありません)
相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受ける財産の
額の合計額が、基礎控除額以下のときは、相続税の申告も納税も必要ありません。
しかし、配偶者控除など各種の税額控除や小規模宅地等の評価減の特例は、申告することで初めて
適用になります。よって、相続税がゼロのときでも申告する必要があります。
遺産分割についてですが、特に期限は設けられておりません。
極端な話、数十年決まらずというところもあります。
よく、相続税の申告・納税期限を理由に遺産分割協議書の署名・捺印を求められるケースが
ありますが、これは両者を混同している可能性があります。
遺産分割内容に納得されているケースや紛争になり得ないケースはそれでも構いませんが、
そうでない場合は、無理に署名・捺印をする必要はありません。
しっかりと納得されるまで協議をおこなってからにしてください。
しかしながら、遺産分割が決まらないと相続税の申告・納税に影響はないのかといわれれば、
影響があります。
相続税の申告・納税自体は、遺産分割協議が整っていなくても10ヶ月の申告・納税期限は
守らなくてはいけません。
その場合は、法定相続したものとして申告・納税します。
その際、相続税にはいくつかの負担軽減となる制度がありますが、その制度が適用されないため、
納税の負担が増すケースがあります。
(受けられなくなる負担軽減の主なものとデメリット)
① 配偶者の税額軽減が受けられない
② 小規模宅地等の特例と特定事業用資産の特例が受けられない
③ 農地等の納税猶予の特例が受けられない
④ 相続財産を公益法人に贈与してもメリットがない
⑤ 未分割の土地の売却が出来ない
その後、遺産分割協議がまとまってから、実際に分割した内容にもとづいた精算が行われます。
注意点ですが、
上記の負担軽減の主なものですが、申告期限までにおこなわないと使えなくなるものと
申告期限から3年以内なら後から適用可能なものとに分かれます。
③④については、申告期限までに行わないと使えなくなります。
①②および⑤の場合の相続税の取得費加算の規定については、申告期限から3年以内なら
後から適用可能です。
やはり理想は10ヶ月以内に遺産分割協議がまとまり、それに応じた相続税の申告・納税を
済ませることですが、なかなかそうはいかないケースがあります。
その場合は上記の内容を踏まえて、メリットはできるだけ享受できるようにしましょう。
そのためにも、被相続人が健在のうちに話をまとめていただくことを強くお勧めいたします。
今回は、簡単に解説させていただいた上で注意点をお話いたします。
相続税の申告・納税についてですが、期限があります。
申告・納税期限は、相続開始を知った日(被相続人の死亡した日)の翌日から10ヶ月以内と
なっています。
相続税の申告をするときは、被相続人(財産をあげる人)が死亡したときの住所地を所轄する
税務署に相続税の申告書を提出します。(相続人の住所地を所轄する税務署ではありません)
相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受ける財産の
額の合計額が、基礎控除額以下のときは、相続税の申告も納税も必要ありません。
しかし、配偶者控除など各種の税額控除や小規模宅地等の評価減の特例は、申告することで初めて
適用になります。よって、相続税がゼロのときでも申告する必要があります。
遺産分割についてですが、特に期限は設けられておりません。
極端な話、数十年決まらずというところもあります。
よく、相続税の申告・納税期限を理由に遺産分割協議書の署名・捺印を求められるケースが
ありますが、これは両者を混同している可能性があります。
遺産分割内容に納得されているケースや紛争になり得ないケースはそれでも構いませんが、
そうでない場合は、無理に署名・捺印をする必要はありません。
しっかりと納得されるまで協議をおこなってからにしてください。
しかしながら、遺産分割が決まらないと相続税の申告・納税に影響はないのかといわれれば、
影響があります。
相続税の申告・納税自体は、遺産分割協議が整っていなくても10ヶ月の申告・納税期限は
守らなくてはいけません。
その場合は、法定相続したものとして申告・納税します。
その際、相続税にはいくつかの負担軽減となる制度がありますが、その制度が適用されないため、
納税の負担が増すケースがあります。
(受けられなくなる負担軽減の主なものとデメリット)
① 配偶者の税額軽減が受けられない
② 小規模宅地等の特例と特定事業用資産の特例が受けられない
③ 農地等の納税猶予の特例が受けられない
④ 相続財産を公益法人に贈与してもメリットがない
⑤ 未分割の土地の売却が出来ない
その後、遺産分割協議がまとまってから、実際に分割した内容にもとづいた精算が行われます。
注意点ですが、
上記の負担軽減の主なものですが、申告期限までにおこなわないと使えなくなるものと
申告期限から3年以内なら後から適用可能なものとに分かれます。
③④については、申告期限までに行わないと使えなくなります。
①②および⑤の場合の相続税の取得費加算の規定については、申告期限から3年以内なら
後から適用可能です。
やはり理想は10ヶ月以内に遺産分割協議がまとまり、それに応じた相続税の申告・納税を
済ませることですが、なかなかそうはいかないケースがあります。
その場合は上記の内容を踏まえて、メリットはできるだけ享受できるようにしましょう。
そのためにも、被相続人が健在のうちに話をまとめていただくことを強くお勧めいたします。
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